仮面と素顔

Aloha.

 

まだ右も左も分からぬ若かりし日、

見知らぬ人に襲われてホテルに

連れ込まれた訳だから、

わたしは死に別れた兄のもとへ

行きたいと暮らしていました。

心配したひとりの男の子が、

わたしを色々なところへ

連れていってくれました。

わたしは、人を好きになる……ことではなく

兄のような絶対的な味方を探していて

人としての感情が欠落していたので

恋心などなかったのです。

そんな彼が車の事故で亡くなったとき、

ツギハギだらけのわたしの心は

壊れてしまったのだと思います。

独身の時、一度だけ精神科を

たったひとりで受診した

ことがあります。

その時、

『どうされましたか?』といわれて

何も言えず、

『何でもないです。大丈夫です』

とだけ伝えて病院を後にしました。

あの時、素顔を隠して

仮面をかぶらなければ、きっとこんなにも

苦しまなくてすんだ……かもしれません。

 

もしも……という人生は悲しいです。

この病気になるべくして

数々のつらい出来事すべて

この為だったと思える

人生を歩みたかったのです。

これからも歩みたいと思っています。

兄の瞳と性格に似た主人と出会い、

二人の我が子がすべての幸せを

わたしにくれたのです。

だけど、失敗ばかりで、

こんな母でごめんなさい。

 

A hui hou.